【データ】最近、何月生まれが多いのか?<社労士執筆>
とある企業の人事部門で働く知人から、「最近、4月の出産が増えている印象がある。4月に出産すると、1歳までフルで育休をとって、新年度に復職できる。それを狙っているのでは」という話を聞きました。そのときは、「なるほど」と納得をしたのですが、実際に4月の出産は増えているのでしょうか。気になって、人口動態調査を見てみました。
「4月の出産」が多くなっているって本当?【月別出生数(2022)】
政府統計の総合窓口(e-Stat)を見ると、確定の出生数が閲覧できます。直近のデータは2022年のようです。グラフ化してみました。
■ 2月が明らかに減っています。しかしこれは、月の日数が少ないことが影響していると思われます。1日の出生数は約2000人と見積もると、3日で約6000人。6000人を足すと、3月の出生数と大きく違いません。
■ 傾向として見受けられるのが、7月から後半にかけて出生数が増えていることでしょうか。7万人を超えるのは、真夏の8月のみで、8月が年間を通して出生数のピークとなっています。
■ 2022年の出生数合計は、77万759人。12カ月で割ると、約6万4230人となります。4月は、6万2209人なので、日数の違いを加味しても、平均的な出生数でした。したがって、「4月の出産が多い」という傾向はないようです。
共働き化で誕生月に変化は生じている?【月別出生数(2000~2022)】
時系列データもグラフ化してみました。2000年から22年分のデータです。時系列でみても、4月が伸びているという事実はないようでした。
とはいえ、もしかしたら2023年以降のデータで、4月出産増加の兆しが見えてくるのかもしれませんね。